美琴ちゃん、大丈夫?
「いってぇーーーーー!!!!」
保健室に時山君の悲鳴が響き渡った。
「そんな叫ぶ元気があるなら大丈夫ね。」
先生が時山君の手当てした箇所をポンッと叩くとまた「ィッテェー!!」と叫ぶ時山君。
本当だ。元気そうでよかった。
「柊さんを見なさい。治りかけをまた折られたっていうのにあの表情よ?」
先生、時山君、唯の3人が手錠を下げたまま平然と椅子に座る私に目を向ける。
…
「先生。あれは人間じゃないんだよ。」
唯がつぶやく。
「失礼な。れっきとした人間だよ。ちゃんと戸籍もあるよ。」
「美琴。普通の人間は手錠引きちぎれないし、骨折られたら悶絶するんだよ。」
…だって、痛くないんだもん。
「時山君も足の方はひどいから…2人とも病院で診てもらわないとね。ちょっと手配してくるわ。ここで待っててね。」
そう言って先生がパタパタと去っていく。
「…あ。俺用事思い出した。」
唯が棒読みで呟く。
「…唯?」
唯が白々しく明後日の方向を向く。
…せめてもっと上手くやって?
「じゃ。」
逃げるように去る唯。
「「…」」
ゆっくりと時山君と目が合う。