振られた私を御曹司が拾ってくれました。
二階堂親子は逃げようと暴れているが、執事やスタッフに取り押さえられた。
すると、今度は氷室社長が、静かに駿とアジームに近づいてきた。
「駿、そしてアジームさん、私が愚かだった…許してくれ。」
氷室社長は深々と頭を下げた。
すると、動き出したのはアジームだ。
アジームは氷室社長の手を取って起き上がらせた。
「氷室社長、あなたは騙されていたのです。頭を上げてください。…ただ、これからは息子である氷室専務と相談しながら、会社を見直した方がよさそうですね…まだ二階堂の黒い影があなたの会社にはありそうですよ。」
氷室社長は、涙ぐんで大きく頷いた。
「…ありがとう。すぐに会社の中を調べます。」
そして、氷室社長は駿の顔を真っすぐ見た。
「駿、今まで悪かったな…私が騙されていたせいで、お前を苦しめていたようだ…この通りだ。」
氷室社長は、もう一度駿に頭を下げた。
「…父さん。僕も父さんを避けてばかりいた…ごめん。」
その光景を見て、私は何故か涙が止まらなくなっていた。
すると、氷室社長が私にハンカチを差し出した。
「葉月琴音さん、いろいろ悪かったね…これからは駿を支えてくれるかな。」
「…あの…私で良いのですか…」