振られた私を御曹司が拾ってくれました。
「琴音、…君が欲しい。抱いても良いよね?」
「…駿、恥ずかしいから聞かないで。」
駿は私をベッドに組み敷いて微笑んだ。
あらためて聞かれると、凄く恥ずかしい。
駿のいつも涼しげな目元が熱を帯びている。
駿の顔がゆっくりと近づき、私の唇は塞がれた。
優しい駿の口づけがだんだんと深くなり、眩暈がしそう。
お互いの触れている肌の温度が心地よい。
駿の口づけは、私の身体のあちこちに、赤い花のような跡を残した。
駿の触れたところは熱く溶けそうになる。
「琴音…君の身体は、こんなにも僕を欲しがってくれているよ。…やっと、君と一つになれるね。」
駿の熱い吐息と同時に、私の中へと駿がいっぱいになる。
押さえていた駿への気持ちや、会えなかった日々の寂しさが込み上げて、涙が溢れた。
「駿、…大好き。」
「琴音…愛しているよ。」
冬の寒い日、あの公園で駿に助けられてから、こんな日が来るとは想像もしていなかった。
いろいろな事が頭の中で思い出される。
その日は、駿の腕の中でいつしか私は眠りについていた。
心から幸せを感じて…。