振られた私を御曹司が拾ってくれました。
翌日、目が覚めるとベッドに駿の姿は無かった。
私は慌てて起き上がると、ちょうど部屋のドアが開けられた。
「琴音、おはよう…よく眠れたようだね。」
「…はい。おはようございます。」
駿を見ると、昨日の夜を思い出して、急に恥ずかしくなる。
「琴音、身体は大丈夫?…少し無理をさせてしまってごめんね。」
「だ…大丈夫です。」
私は慌てて立ち上がろうとした時、足に力が入らずそのまま床にペタンと座ってしまった。
さらに恥ずかしい。顔から火が出そうな気分だ。
すると、駿は無言で私を抱き上げると、そのままバスルームへと運んでくれた。
「し…駿、もう大丈夫だから…重いから降ろして。」
駿はクスッと笑いながら悪戯な表情をする。
「遠慮しなくて大丈夫だよ…なんならシャワーも手伝おうか?」
私は真っ赤になりながら大きな声を出していた。
「…だ…だ…大丈夫ですから!!」
駿は意地悪くクスクスと笑っている。焦る私を楽しんでいるようだ。