振られた私を御曹司が拾ってくれました。


「う~ん…何にしようかな…」


パーティーの翌日、私は家の近くのスーパーで悩んでいた。
考えれば、考えるほど決まらなくなる。

結局、決まらないので、自分が食べたいものにすることにした。


「今日は、ハンバーグの気分かな…」


合挽き肉、玉ねぎ、牛乳、卵、それと一緒に添えるキャベツを購入。
私は急いで家に向かった。

家のキッチンに購入した食材を並べて、エプロンを付ける。


「よしっ!作るぞ…」


玉ねぎをみじん切りして、フライパンで飴色になるまで炒める。
玉ねぎが多めなのが、私の好みなのだ。

炒めた玉ねぎと、合挽き肉、卵、牛乳を適量入れて、素手でくちゅくちゅと混ぜ合わせた。
そこへ、塩と胡椒を入れたら、ハンバーグの形に丸める。

いつも作っているメニューだけれど、今日は何故か楽しく感じる。

表面がカリッとしているのが、私流のハンバーグだ。
少し強めの火で焼き始める。

その間に、キャベツのみじん切りだ。
みじん切りしながら、自然と鼻歌が出た。

料理が久しぶりに楽しいと感じる。
食べてくれる人がいる料理は、やはり作り甲斐がある。

ジュージューと美味しそうな音と、肉の香ばしい匂いがしてきた。
ハンバーグの完成だ。

少し大きめの容器にハンバーグ、キャベツ、さらに、あらかじめ炊いておいたご飯を別の容器に入れる。
そして最後に、いつも作り置きしてあるデミグラスソースを冷凍庫から取り出して、レンジで解凍。
このデミグラスソースは、母からの秘伝で常時冷蔵庫に作り置きしている。
野菜をトロトロになるまで煮詰めて、赤ワインとコンソメ、そこに市販のソースを混ぜて作る自信作だ。

「…完成!急いで届けなくちゃね…」


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