振られた私を御曹司が拾ってくれました。
頭が空っぽで、何も考えられない。
私はふらふらと歩き、小さな公園のベンチに座り込んだ。
ここまでどうやって歩いてきたのか分からない。
少し時間が経ち、落ち着いてくると、今度は涙が溢れだしてきた。
私の頭が、今の状況を理解してきたようだ。
12月の寒い夜、公園には誰もいない。
私はいつしか声を出して子供のように泣いていた。
私の名前は、葉月 琴音(はづき ことね)25歳。
株式会社サーティーサーティーのスイーツ開発部に勤めている。
付き合い始めて3年の彼とは、そろそろ結婚も意識していた。
今となっては、意識していたのは、私だけだったようだ。
今日は私の誕生日だし、記念日でもあるので、もしかしたら…なんて浮かれていた自分もいた。
それなのに…こんな結末が待っていたとは…。
最悪だ。