振られた私を御曹司が拾ってくれました。
部屋の中に進むと、さらに驚いた。とても開放感のある広いリビングに、とても高い天井。
大きな窓ガラスにも圧倒される。
「し…し…しゅ…ん」
名前で呼べと言われても、恥ずかしくてなかなか言えない。
「琴音、遠慮はしなくていいよ。プライベートは友人だと思って、駿と呼んでくれ。」
「…し…駿、こんなすごい部屋に、私なんかが、一緒に住んで良いのでしょうか。」
すると駿は、目を細めて微笑んだ。
「琴音となら、きっと良いルームメイトになれると思うんだ。」
「なぜ、駿はそう思うの?私のことはそんなに知らないのに…」
駿は口角を上げてウィンクをして見せた。
「僕の勘は当たるんだ。だから琴音には“ピーン”と何か感じるものがあったんだよ。」