振られた私を御曹司が拾ってくれました。
「琴音、自分の服を確認するなんて可愛いね…僕は何もしていないよ。安心して。」
「そ…そんな…確認なんてしていません。」
私は顔が熱くなるのを感じて、急いでベッドから出て、立ち上がった。
……その時!
駿が私の腕を掴んで、自分に引き寄せた。
私は駿の上に倒れてしまった。
次の瞬間、唇に柔らかく温かい感触がした。慌てて離れようとしても、後頭部を押さえられて動けない。
「…ん…んん」
口が塞がれて、言葉が出ない。
駿は私に口づけていた。
駿の胸に手をついて、力いっぱい逃れようとするが、動けない。
服を着ているときには分からなかったが、駿はかなり鍛えられた体のようで、胸の筋肉もかなり逞しい。
息が出来ず、窒息しそうになった時、やっと唇が解放された。
「…琴音、酔って寝ているときは、さすがに卑怯だから、これでも我慢していたんだ。」
私はどういう顔をしてよいのか分からす、駿の部屋から逃げるように飛び出した。