振られた私を御曹司が拾ってくれました。
自分の部屋に逃げ込むように飛び込んだ私は、扉の前でペタンと床に座り込んでしまった。
今、何が起こったのだろう。そもそも昨日の夜から記憶があまりない。
駿が言った通り、駿のベッドに自分から行ったのだろうか…。
(…まったく覚えてない…どうしよう…)
部屋の時計を見ると、まだ朝の5時になったところだ。
会社へ行く、朝の支度にはまだ少し早すぎる。
私はとりあえず自分のベッドに入り、頭まで布団をかぶった。
同居の初日から駿に迷惑をかけてしまった。
でも、駿の口づけはなぜなのだろう。しかし駿にしては、特に意味のない事なのかも知れない。
『ピピピピ…』
いつもの目覚まし代わりにしている、スマホのアラームが鳴った。