振られた私を御曹司が拾ってくれました。
それぞれの想い


「おはようございます。」


桐生さんと清水さんが起きてきたので、二人に声を掛けた。
すると、二人は驚いた顔をしている。

私は少し早く起きて、朝食を作ったのだ。
テーブルには朝食の準備をしておいた。

冷蔵庫には、ミネラルウォーターくらいしか、入っていなかったため、隣のマンションの一階にあるコンビニへと買い物に行って来たのだ。


すぐに声を出したのは、運転手の清水さんだ。

「スゴイな!美味しそうな朝食だ!」

桐生さんも、目を大きく開けて驚いている。

「こんなちゃんとした朝食は、久しぶりだな…本当に驚いた。」

朝食は和食を作ってみた。
ご飯は時間短縮で、レンジで温めるものを用意。
おかずは、じゃこ入りの厚焼き玉子、焼き鮭、ほうれん草のおひたし。
お味噌汁は豆腐とわかめが入っている。


『いただきます!』


私達は、テーブルに座り一緒に食べ始めた。

桐生さんは味噌汁を一口飲んで口角を上げた。
今度は桐生さんが先に声を出した。

「…美味しい、葉月さんは料理上手ですね。」

清水さんも、厚焼き玉子を頬張りながら、頷いている。

(…よかった、二人の口に合うか心配だったけど…食べてくれている。…)

二人は朝食を全て完食してくれた。
自分が作ったものを、美味しそうに誰かが食べてくれると、なんだか幸せな気分になる。

朝食を終えると、桐生さんと清水さんは、駿を迎えに行ってから会社に向かうため、早めに家を出る。
私もいつも通り、朝の身支度を整えて会社に向かう準備をした。

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