振られた私を御曹司が拾ってくれました。

「おはよう琴音、入院したって聞いて驚いたよ。風邪をこじらせたんだって?もう大丈夫なの…?」

「美優、おはよう。心配かけてごめんね。」


朝、会社に着くと、同じ部署で友人の、北川 美優 (きたがわ みゆ)が声を掛けてきた。
私は公園で助けられた日から、一週間会社を休んでしまったのだ。
会社には流石に本当のことは言えず、風邪をこじらせたと伝えていた。

あの時私は、軽い肺炎にもなっていた。あともう少し病院に運ばれるのが遅かったら、命はなかったと医師から言われていた。

死んでも良いとまで思っていたが、今は死ななくて良かったと思っている。
私を振ったあんな男のために死ぬこともない。
絶対に幸せになってあいつを見返してやりたい。

私を助けてくれた“しゅん”という男性には本当に感謝だ。
もう、会うことは無いかも知れないが、私の命の恩人だ。

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