振られた私を御曹司が拾ってくれました。
「琴音、数日会わなかっただけなのに、すごく長く間、会えなかったように感じるよ。」
「駿…来てくれて、ありがとうございます。」
駿の笑顔に胸が熱くなる。
今日は駿も大阪に泊れると言ってくれた。
久しぶりに駿とゆっくりできることに、自然と口元が緩んでくる。
「…琴音、僕のせいで、いろいろ恐い目に合わせてしまったようだね…桐生から聞いたよ。…そばに居られなくて悪いな。」
「…駿と離ればなれは寂しいけど、これくらい私は大丈夫ですよ。」
「強くなったな…琴音」
私の誕生日だったあの夜、駿が公園で私を救ってくれた。
その日から私の世界は変わり始めた。
そこで私は生まれ変わったのかも知れない。
以前の私だったら、恐い思いをしたらすぐに逃げ出していただろう。
でも今は、逃げたりしない。
駿を信じているから強くなれる。