振られた私を御曹司が拾ってくれました。
久しぶりに駿と部屋で二人きりになると、なんだか恥ずかしいようで緊張する。
「…琴音、二階堂祥子のことは、必ずはっきりさせるから、もう少しだけ待っていて欲しい。」
駿は私の手を握り、真っすぐな瞳を向けて来た。
…私はこの人を信じたい。
「…琴音、まだ君を抱けないけど…キスはしても良いかな?」
「そ…そんな…聞かないでください…」
私が言葉を言い終わると同時に、私の口は駿の唇で塞がれた。
駿とキスするのは2回目だけれど、一度目はいきなりアクシデントのようなキスだったので、こういう恋人同士のようなキスは初めてだ。
駿の唇の柔らかさが心地よく、力が抜けそうになる。
私が息をしようと口を開けた瞬間に、駿の舌が私の中に入ってくる。
しかし、それは強引ではなく、駿の想いが伝わるような優しい口づけだ。
駿の口づけは角度を変えて何度も繰り返され、私の奥深くまで駿で満たされたように感じる。
「…琴音…このまま君を押し倒したいが、約束は守りたい。…苦しいが我慢するよ。」
唇を離した駿は、私を抱きしめて耳元で囁くように話をした。
耳元に駿の吐息を感じて、さらに顔が熱くなる。
その夜、駿はその言葉の通り、私を抱きしめるようにしてそのまま眠りについた。
私は駿に抱きしめられているだけで、心臓がうるさいほど大きな音を鳴らしている。
とても緊張で寝られそうにない。