振られた私を御曹司が拾ってくれました。

「あの…ボディガードさん。お名前を教えていただけますか?」

「私は、三枝 未来(さえぐさ みく)と申します。」

「では、未来と呼んでもよろしいでしょうか?…なので、私のことは琴音とよんでくださいね。その方が自然な友達に見えるでしょ?」

すると、未来は驚いた顔をした。

「…私は全く問題ないのですが、葉月さんを本当にお名前でお呼びしてよろしいのでしょうか?」

「私は平凡なOLです。気にしないで琴音と呼んでください。…よろしくね、未来。」

未来は少し恥ずかしそうな表情をしながら、私の名前を呼んでくれた。

「それでは…こ…こと…琴音、よろしく…ね。」

「はい。」


不思議なもので、名前で呼び合うだけでも友達が出来たような感じがする。
なんとなく嬉しくなってくる。

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