振られた私を御曹司が拾ってくれました。
「琴音、改札を出たら、すぐに左の柱に隠れて。」
私は未来の指示に従うように、改札の外にある柱を見る。
そして次の瞬間、改札を出た私は、その柱の陰にスッと隠れた。
柱の陰から、後ろをそっと覗き込むと、女性は改札を出たところで、きょろきょろと周りを見渡している。私を探しているようだ。
すると、未来は素早くその女性に近づき、腕を掴んだ。
「あなたは誰ですか?私達をホテルからずっと尾行していますよね。」
その女性は顔を見せないように横を向いて、顔を手で隠した。
そして、未来が少し強引にマスクを外すと、この女性の正体がついに分かった。