【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(秘書室の悪魔とお見合いしたら)

 素直に答えたっていうのに、ふたりから寄せられるのは生暖かい眼差しだった。

 ……ニタニタしている。知ってて聞いたに違いない。

 ちなみに言っておくと、フーズというのは、この漆鷲ホールディングの源流企業であり、会長のお孫さんである漆鷲(うるわし)永斗(えいと)さんが現在、代表取締役・社長を務める漆鷲フーズという食品会社のこと。

 そして、“バイリンガル”というのは。国際秘書検定ファイナル試験に合格し、CBS認定証を授与された――いわゆるバイリンガルセクレタリーの資格を持つ人のこと。

 簡単に言えば、英語と日本語など、2ヵ国語が話せることだ。

 ちなみに、ここのグループセクレタリーはみんな持っていて、それぞれの言葉に適任者がいる。

 そんな中でも“彼”、ゼネラルマネジャーは、軽く4ヶ国語は堪能だといわれる、いわゆるペンタリンガルという逸材で、かの有名な海外一流大学を極めて優秀な成績でクリアしたという頭脳明晰ぶり。

 そう。とてもすごい人なのだ。
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