【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています
お付き合いの経験なんて、大学時代に一度だけしかない。
告白されたひとつ上の先輩と、在学中の海外留学期間を挟んだ、実質半年にも満たない短いお付き合い。
とても楽しかったし、恋人として一通りのことをその人と経験したけれども、留学を経て次に顔を合わせたとき、彼には他に好きな人が出来ていた。
とても残念な形で終わったけれども、さほど傷つくことがなかったのは、押されるがままに交際に発展してしまったことと。このときには私も、外資秘書への夢で頭がいっぱいだったからだと思う。
それから、社会人になってからは、交友関係の広い友子に度々合コンに連れて行かれたけれども、仕事が忙しくて恋愛をしようなんて考えに至らなかった。
……というよりも、入社早々島田さんのことを好きになって、他に目が向かなかった……っというべきだろう。