【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(秘書室の悪魔とお見合いしたら)
恋愛経験が無いに等しいにも関わらず、片思い歴ばかりが長くなってゆく……というのが私の現状だ。
だけどそれももう、終わりにしなきゃならないのかな……。
昼休みの会話を思い返し、チクンと痛む胸のうちを見ないふりした。
「お付き合いしてる人は、ずっといません」
振り切って笑顔で告げると、会長は「おお!」と声を上げて満足気に微笑む。
「良かった、良かった! なら、見合いをする気なんてないかね?」
「……おみ、あい……?」
え?! わ、わたし……が?!
内心大きく飛び上がる。
「あぁ、相手も國井さんがよく知っている男だから、見合いというよりは引き合わせになるかのぅ」
ドキン! 鼓動が大きく太鼓をうつ。