【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(秘書室の悪魔とお見合いしたら)
あまりの情報の速さに、あ然とする。
予期していたにしても、早すぎではないだろうか?
私はたった今聞いてきたばかりなのだ。
「さぁ、なぜでしょうね。ひとまず私はあなたと……話しをしに来ました」
島田さんはそう口角をあげて見せると、そばにあった藤森さんのデスクに座る。
そして、すぐさま本題へ斬り込んできた。
「……会長からの縁談をどうなさるつもりで? 」
じろりと私を見上げ。
切れ長の瞳が威圧するように細められる。
鋭い視線に身が竦み、ゴクリと喉が鳴った。
すぐに理解した。
彼は、忠告をしにきたんだ。
なんらかの情報から事態を察した彼は、先回りして私を意のままに動かそうとやってきたのだろう。
「それは――」
まさか、こんなにも早く恐れていた事態になるなんて。