【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています
彼にとってあの出来事は、至らない部下の不始末かもしれないけれど。
私にとってあの瞬間は、何にも代え難いキラキラした思い出だった――。
「意に添えなくてすみません。……誤解されちゃうと思ったら、無意識に体が動いていました。……この気持ちこそ、私がお見合いをしたいって思った本当の理由です」
笑っていたたまれなさをごまかしたら、彼の切れ長の目が、さらに見張ったような気がした。