【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています

彼にとってあの出来事は、至らない部下の不始末かもしれないけれど。

私にとってあの瞬間は、何にも代え難いキラキラした思い出だった――。

「意に添えなくてすみません。……誤解されちゃうと思ったら、無意識に体が動いていました。……この気持ちこそ、私がお見合いをしたいって思った本当の理由です」

笑っていたたまれなさをごまかしたら、彼の切れ長の目が、さらに見張ったような気がした。
< 71 / 135 >

この作品をシェア

pagetop