【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています

「――わかりました」

返ってきた、よくわからない返事。
 
「……え……?」

わかり、ました……って? なにが?

彼は掴んでいた腕を解放し、持っていたファイルを近くのデスクにそっと置いた。

そして、自由になった両腕を組み、ちんぷんかんぷんの私を見て、

「私に判断を委ねるんでしょう? なら私は、この件の決定権を國井さんに譲ります」

なんと、とんでもないことを、淡く微笑みながら断言する。
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