【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています
「幸運なことに熨斗をつけたウサギが舞い込んできたというか……」
うさぎ……?
「“覚悟”によっては“協力”してもらうのも、ひとつの手かな? なんて――」
きょうりょく……?
「――悪くないというか、思わされたと言うか……あなたの熱心さに負けました」
島田さんは次々自問自答するような言い方でブツブツ連ねているけど。
言ってる意味がちっともわからない。
負けた……? ど、どういうこと……?
「――まぁ、とにかく」
そう言って、内心唖然としはじめている私を部屋の奥に追い詰めるように、ズンと足を踏み出した。