【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(秘書室の悪魔とお見合いしたら)

そんな私の逃げ場を奪うように、島田さんは背後のデスクに両手をついて、私をしなやかな腕の檻に捕らえ身を寄せてきた。

「忠告……ともいえますね。でも、俺の意志は別として、あなたに判断を委ねたいと思った気持ちは本当ですよ。

だから――」

セルフレームのシンプルなメガネを整った顔から取り払うと、知的な美貌が余すことなくさらされた。

繊細でシャープで。でも想像よりも色気があって。浮かべた悪い笑みもやっぱり素敵で……

あぁ、こんな状況でもダメ。見惚れる……。
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