【書籍化】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています

――い、一体なにが起きたんだ……。

眼鏡を装着したふたつの黒曜石に写るのは、彼に縋り付くうまれたての子鹿のような真っ赤な私。

心の無いアンドロイドかと思われるほどクールで、女性になんて興味すらなさそうで。

恋人は漆鷲グループと陰口を囁かれるほどの仕事人間。

そんな美しき悪魔と言われている彼の、腰砕けの巧妙なキス。

お見合にいかないと一蹴され、木っ端微塵に失恋するのかと思いきや、いきなりこんな幸運(?)な形での

――忠告?!警告?!脅し?!

なにもかも信じられないし、理解不能……。

だけど、唇に残る柔らかな熱の感触と、目の前にある彼のしっとりと濡れた唇はまごうことなきリアルで……
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