クールな美形王子の誘惑
私の頬に手を伸ばす梓くん。
不安そうで、寂しそうな瞳と目があった。
「…八雲クンは料理もできるし、
来る時だって…自然に荷物を持ってあげようとしたり…
それで八雲クンのこと、好きになっちゃった…?」
「……へ?」
「やっぱりこんな俺じゃだめ?
どうしたらあずのこと振り向かせられる…?」
「あ、梓くん?」
「料理も勉強するし、
片付けもちゃんとするから、
八雲クンのこと好きにならないで…」
子どもみたいに、おねだりするようにそう言った梓くんは
パタリとベッドに倒れた。
「すー…すー…」
「……寝ちゃった」
やっぱりお酒がまわってたから、様子がおかしかったんだ。