クールな美形王子の誘惑
ごめん!と眉を下げて謝る王子。
そんな顔も美しいです。
「バスって、駅まで乗るやつだよね?」
「え、あ、はい」
「じゃあ駅まで送るよ。ちょっと待ってて」
……送る?
え、どういうこと?と首を傾げると、
王子はスマホを取り出して誰かに電話をかけた。
「もしもし、もう来てますか?
申し訳ないんですけど、駅まで送ってもらってもいいですか?」
えっと…もしかしてお迎え?
入学式だしね。親御さんが迎えにって普通か。
私の親は仕事で先に帰っちゃったけど。
「はい、ありがとうございます。
お願いします」
親…にしては、なんかよそよそしい気がするけど…。
「マネージャーが駅まで送ってくれるから」
「あぁ…マネージャー…」
親じゃないんだ、道理で…。