クールな美形王子の誘惑
横になってる梓くんに布団をかけてあげて、
輝くふわふわな金髪をそっと撫でた。
「……私が八雲さんのこと好きになるわけないのに」
だって、さくらちゃんのことが好きなんだよ?
誰がそんな不毛な恋したいんだっての。
それに……
「……梓くん以上の衝撃、
受けたことないもん」
恋に落ちるって、電流が走るようなものだって思ってる。
初めて梓くんを見た時のような…。
あれは、芸能人なんかを好きになるのと同じだと思う。
手の届かない人に惚れた感覚。
けど、恋をするのはそれよりもっと衝撃的なんじゃないかって、私はそう思ってる。
だから八雲さんを好きになんて、たぶんならない。
“この人だ”って感覚がないんだもん。