クールな美形王子の誘惑
あっ、スマホの翻訳アプリいれればなんとか…「す、すみまセン!」
心の中であたふたしてた私に、
可愛らしい声が飛んできた。
「あの、道を、き、聞きたいのデスが…」
「……」
私の方へ駆け寄ってきた金髪の女の子は、ちょっとカタコトだけど、日本語を話してる。
日本語がわかるのなら、なんとか話せそう。
「〇〇町4丁目って、ここであってますカ?」
「はい、合ってますよ」
「よかタ!
このアパートって、どこかわかりますカ?」
女の子が持っていた小さなメモに、
さっきまでいた、梓くんが住んでるアパートの名前が書いてあった。
「それ隣です、ここ」
すぐ隣を指さしたら、
『wow!』とびっくりしたような声が出てきた。