クールな美形王子の誘惑
どんな顔して、梓くんに会えばいいのか、
今はすごく、困ってる。
「……恋をすると臆病になるって
こういうことなんだね」
「さくらもね」
さくらちゃんも、八雲さんと顔合わせづらいんだもんね。
私もさくらちゃんも、飄々としてるように見せてるけど全然そんなことない。
もっと素直に、なんでも話せる子になりたいよ。
「ていうかさくら戻ってくるの遅っ。
アイツ、さては昼休み終わるまで戻ってこないつもりだな?
あたしと顔合わせたくないだろうから、あたし自分の教室戻るわ」
彩奈ちゃんは『あずからさくらに連絡しといて』って言って、雑誌と空になったお弁当箱を持って教室に帰った。
って、いつのまにお弁当食べ終わってたの!?
まだ半分以上残ってる自分のお弁当箱を見つめて
彩奈ちゃんは侮れないな…と思いながら残りのお弁当を食べ始めた。