クールな美形王子の誘惑
私と彩奈ちゃんは一足先にリビングの方へお邪魔させてもらうと、
彩奈ちゃんはクス、と笑った。
「八雲くん、本当にさくらのこと好きなんだね」
「うん」
「めちゃくちゃわかりやすい男〜」
『なんか可愛くて、応援したくなっちゃうね』って、彩奈ちゃんはニマニマ笑っていた。
「…さくらも。
八雲くんのこと好きなんだね」
「嬉しそうだったね」
「本人は隠してるつもりなんだろうけどね。
あんなかわいい顔、初めて見た」
彩奈ちゃんと『めちゃくちゃかわいかったね!』って笑い合ってたら、
「2人でコソコソなに話してるの?
わたしの悪口?」
ジュースを持ったさくらちゃんが、ちょっぴり頬を赤らめながらやってきた。
「なにされたの?」
「はぁ!?
な、なにもされてない!」
「ふーん…。
なにもされてないのに二人きりでドキドキしちゃったんだ?」