クールな美形王子の誘惑
その後、少ししてから八雲さんがケーキを持ってリビングにやって来た。
「はい、これがあずちゃん、
これがあやちゃん、
これがさくらちゃんね」
ケーキが乗ったお皿を、一つずつ私たちの前に置いてくれる。
彩奈ちゃんは八雲さんに『あやちゃん』と呼ばれたことに感激して気付いてなかったみたいだけど
さくらちゃんのケーキだけデカかった。
「あ、あの…八雲さん、
わたしのだけ大きくないですか…?」
さくらちゃんもさすがに黙ってはいられなかったみたいで、自分からそう言った。
「さっき、あっちで話してた時にケーキ好きって言ってたから。
オレの分もあげようと思って」
ニコ、と笑う八雲さんの前に置かれたケーキは、……めっちゃ細かった!!
すごい贔屓だ!!!!