クールな美形王子の誘惑
「さっきケーキ屋に梓さんが並んでたの、見た?」
「はい…」
「隣に金髪少女がいたのも見た?」
「彩奈ちゃんが見たって…」
「実はさ、
あのカレー食った次の日くらいからかな。
その子、梓さんの部屋に住んでんだよね」
「……え」
八雲さんが言うってことは
仕事関係の人ではないってこと?
「あ、で、これ」
八雲さんがテーブルの端に置いてあったお菓子が入った箱を私たちの目の前に移動させた。
「もらったんだよね、その金髪少女に。
隣でしばらくお世話になるからって」
「え……」
「で、その時言ってたんだよね。
『梓が結婚するって言うから海外から来ました』って」