クールな美形王子の誘惑
風で髪が揺れて、梓くんの瞳が見え隠れする。
真っ直ぐ私に視線を向ける梓くんは
一体どんな気持ちで、そんなことを言ってるの?
「……誰でもいいじゃん!」
「……え…」
「私以外のことも見るべきって、私言ったよね?
私じゃなくても…誰だっていいじゃん…!」
どうせ遊びなら。
私じゃなくてもいいじゃんか。
「俺は、それでも気持ちは変わらないって言った」
それは
ずっと私は遊びってこと?
「……やだ、そんなの」
「あず…?」
「苦しいから…やだ…」
遊びのまま関わるくらいなら、
一緒にいない方がましだ。