クールな美形王子の誘惑



中学にあがると、そんな無駄な争いはなくなった。


いや…表面ではそうだっただけで



裏では凄まじかった。




『委員会一緒だからって必要以上に近づいてんじゃねぇよ!』




俺が特定の女の子と仲良くすると、その子は決まって学校に来なくなる。


嫌がらせされてたって知ったのは、それからだいぶ後。



俺のせいであの子は学校に来れなくなっちゃったんだって、罪悪感はあった。



だからプリントとか、俺が届けてあげようって思った。



そうやって家に行くと、その子は嬉しそうに言った。




『早川くんが家に来てくれるなら…
もう学校行かなくてもいいかな』




下心か。


いつも家にあげようとしてきたり…そんな子に良い顔するのも面倒だった。



学校来なよって言っても、そんなつもりは全然なくて。



毎日家に行かされる身にもなってくれって、正直学校に来てる女よりだるかった。




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