クールな美形王子の誘惑
そして今の高校に入学して、
寄ってくる女がうざくて、また中学の時と同じか、なんて思ってたら。
『……え!』
帰ろうと俺の目の前を通った女の子が、髪は伸びててすぐには気づかなかったけど、あの時の子だってわかった。
『待って!』
声をかけたのに、
なんと無視!!
今まで女に無視されたことなんて、一度もないんだけど!?
とんだ大物だ、なんて思いつつも
彼女の背中を追いかける時は、気持ちが昂って、はしゃいでる自分がいることに気付いた。
あの時、わざわざ俺を追いかけて来たのかって思ったけど
俺は“わざわざ”じゃなくて、追いかけることが楽しかったんだ。