クールな美形王子の誘惑
*
放課後の図書室。
そこに勉強を教えてくれるC組の男の子がいるって言われて、彩奈ちゃんについていくことに。
嫌な予感を抱えたままガラッと図書室のドアを開け、
室内をぐるりと見回した彩奈ちゃんは何かに気付いて。
「京ちゃ〜ん!」
ブンブンと手を振った先には、
眼鏡をかけた真面目そうな男の子が、難しそうな本を読んでいた。
「……篠森さん」
「ね、勉強教えてくれるよね?」
「はぁ…。
僕やるって言ってないんだけど」
「いーじゃん!ね!!
お願い!京ちゃぁ〜ん!」
「……、はぁ。
遊んだりしたらやめるからね」
図書室なんだから静かにして。と彩奈ちゃんの頭を小突く男の子。
……C組の男の子っていうから、梓くんかと思った。
気まずいから梓くんじゃなくてよかったけど…。