クールな美形王子の誘惑
ん?と首を傾げたら、
彩奈ちゃんが目的のページをめくって、目の前にバッと開いてみせた。
「コレ!!
メイクしててちょっと雰囲気違く見えるけどさ!!」
目の前に現れたその写真の人物は
彩奈ちゃんの言う通り、メイクで雰囲気違うし、
スプレーを使ったのか、それとも染めたのか、髪の色も違うけど…
「名前も書かれてないけど…これって
プリンスだよね!?」
その美しい顔は、梓くんで間違いない。
「…それで、なんでこんなに人が?」
「みんな本人に聞こうとして集まってんの!
けど、まだ来てないんだよね」
「もうすぐチャイム鳴るけど…って、わたしたちも行かないと遅刻になっちゃう」
スマホの時計を確認して、さくらちゃんと一緒にA組の教室に向かう。
C組の前に集まってた人もそれぞれ自分の教室に戻っていった。