クールな美形王子の誘惑
想いを伝えて
結局、次の日も梓くんは学校に来ず、
終業式の日を迎えた。
教室で朝のホームルームを終え、その後さくらちゃんと体育館へ移動する。
「……あ、プリンスいるよ」
「ほんとだ…」
その途中で、
男の子たちと一緒に歩いているのに、女の子たちに囲まれてる梓くんを見つけた。
「ねぇ、早川くん雑誌載ってたよね!?」
「カッコよかったよ〜!
今後もモデルやるの!?」
「海外行くって本当!?」
女の子たちからいろんな質問が飛び交う。
でも梓くんは、どの質問にも答えず、ただ鬱陶しそうに歩いていくだけ。
「梓、ちょっとくらい返事したら?」
「……うざい。
答えることなんてなにもない」
一緒にいた男の子にも、冷たく返事をする。
そんな光景を女の子集団の後ろから眺めながら、はぁ…と1つため息をついた。