クールな美形王子の誘惑
頭一個分飛び出た金髪を追いかけていく女の子の集団が。
「早川くんこれからもモデルやるの!?」
「絶対雑誌買うね!」
女の子たちの声を無視して歩いていく梓くんは、
少し早足で、学校の来客用の駐車場の方へ歩いていく。
あ…もしかして今から仕事?
だから早足なのか。
仕事があるなら、話があるって引き止めるのも申し訳ない。
連絡先は知ってるし、家だって知ってるんだからまた今度でいいか。
……そう思って帰ろうとしたんだけど。
遠くから見えた、梓くんが乗り込んだ車は、
マネージャーさんの車じゃなかった。