クールな美形王子の誘惑



困ったような顔をしながらも、



梓くんはチラッと恥ずかしそうに私を見た。




「……俺が結婚したいって思ってんのは、
あ…あず、だけだから…」



「……え!!」



「なんでそんな驚くの。
……ずっと好きだって言ってるんだから、そりゃそうでしょ」



「だ、だって、その…
リリーさんと一緒に住んでたから…
リリーさんが、本命なのかと…」



「だから遊ばれてるとか言ったのか。

……あのさぁ…
俺の他の女子への態度見たらわかるでしょ…俺そんな器用なことできないから」




ポリポリと照れくさそうに首を掻く梓くん。


そして、『あんだけストレートに言ってんのに伝わってなかったのかよ…』ってボソッと文句を言ったのも聞こえた。




「い、一緒に住んでるとか、
隠してたの見たら、心変わりしたのかなって思っても仕方ない、というか…」



「言ったじゃん、気持ち変わらないって。
あの時の、どういう意味で受け取ってたの?」




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