クールな美形王子の誘惑
え?と返したら、
『ビデオ通話に切り替えて、ちょっと待ってて』って言われた。
言われた通りにビデオ通話にしたら、
何もない部屋が映って。
少ししたら、画面に梓くんが映し出された。
『あ、久しぶりのあずだ』
嬉しそうに手を振ってる梓くんに、私も手を振り返す。
すると画面外から、ひょこっと金髪の女の子が映り込んできた。
『ア!!!
道教えてくれた子!?』
「あ!」
ニコッと笑顔で手を振るその子は、いつかの、コンビニでアパートの住所を聞いてきた女の子だった。
『あの時はアリガトウ!
ワタシはリリーといいマス!
アナタが梓の彼女なのネ!?』
「え…あ、はい…!」
『ウレシイ!
優しくてカワイイヒトが梓の彼女で、
ワタシ安心しタ!』
『お前のせいでややこしくなってたけどな?』
喋っていたリリーさんに、横から梓くんの手が伸びてきて頬をぶちゅっと潰していた。