クールな美形王子の誘惑
『だって、
梓、好きな人できタって言ってタ!』
『おう、言ったよ』
『それって、ケッコンするってことデショ!?』
リリーさんがそう言ったら、
梓くんがハァ…とため息を吐いた。
『……って、ことなんだよ。
コイツの頭ん中は、“恋をすること=結婚”っているぶっ飛んだ思考回路があるらしくて』
「じゃあ、八雲さんが聞いたことも、間違いじゃないんだ?」
『たぶんちゃんと伝言できてるね。
“結婚するから来た”って、“リリーが”じゃなくて、“俺が”って意味らしい』
「……あははっ!
なぁんだ、そっかぁ…」
リリーさんは梓くんを好きなのかと思ってたけど、
最初から、不安になることなんてなかったんだ。