クールな美形王子の誘惑
『……で、リリーと一緒に住んでたのは
突然日本に来たのにホテルとかも全くとってなかったらしくて、
実家で面倒見てもらおうと思ってたけど…
ちょっと頼み事があったから一緒に住んでた』
「…頼み事?」
『梓、料理ヘタだから、オシエテあげてた!』
『ん…ま、そゆこと』
そう言って恥ずかしそうに頬を掻く梓くん。
そういえば…八雲さんにすごい対抗意識持ってたもんね。
「そうだったんだね」
『うん。
本当はダサくて言いたくなかったけど、
あずに誤解されたくないから言っとく』
「……うん、ありがと」
梓くんってなんだかかわいいなぁ、なんて思ってたら頬が緩んで、
隠そうとしたら、部屋の中から彩奈ちゃんが手を振ってるのが見えた。
……あ、もう結構長電話しちゃってるかも。