クールな美形王子の誘惑
甘い王子の誘惑
「お、浴衣じゃん!
あずちゃん似合うね」
「ありがとう」
「さくらは世界一美しいよ」
「サムい」
ぶるっと腕をさするさくらちゃんと、デレデレ顔の八雲さん。
今日はお祭りの日。
彩奈ちゃんたちと行くはずだったのに、何故か私はこっちの2人と合流していた。
──彩奈ちゃんの家にお泊まりをした翌日。
約束通り、さくらちゃんの家で浴衣を選ばせてもらってたら
急に、八雲さんからさくらちゃんに電話が来て。
なんの話をしてたのかはわからないけど、電話を切ったさくらちゃんが突然、
『あず、わたしとお祭り行こ』
と言うから、彩奈ちゃんとじゃなくて、さくらちゃんと行くことに。
まぁ、彩奈ちゃんと京佑くんの邪魔しちゃうから、よかったといえばよかったんだけど…
こっちはこっちで、私は邪魔者だなぁ…。