クールな美形王子の誘惑
ポツリと独り言のようにそう呟いて、
それにいち早く反応したのは
「梓!!それほんと!?」
運転しながら声を張り上げる、マネージャーさんだった。
「考えるってだけ。
本気にしないでください」
はぁ、とため息を吐く王子。
めんどくさそうに目を伏せ、「やっぱやめようかな」と呟く。
なんか…結構冷たい言い方。
「そ…そんなに顔出すの嫌なんですか…?」
「えっ、あー…
顔出すと、色々自由きかなくなるから。
高校だって、普通に行けなくなっちゃうし」
「あ…そ、そうですね」
顔出ししてない状態でも騒がれてたし…。
有名になったら、学校だけに留まらなくなるよね。
冷たい声が出るくらいには、ストレスを抱えることになるのかも。