クールな美形王子の誘惑










放課後になったら



王子がA組の教室にやってきた。




「あず」




王子の登場に、クラスの女子が明らかに浮き足立ってる。



そんなことを気にもしてない王子は、教室に入ってきて私の目の前に来た。




「あ、まだ片付けできてなくて…」



「ゆっくりでいいから」



「はい…」




体育の時に使ったジャージを畳んでカバンの中に入れていると、




「あず、ちゃんと畳むんだ?
俺、ぐしゃぐしゃで入れるからカバンがパンパンになってる」




王子が自分のカバンを持ち上げて、あははっと笑った。




「あんまり無理矢理入れると、チャック壊れちゃいますよ」



「あー、昔からこんなで、中学の時チャック壊したんだよね。
学習しないなー俺」




< 44 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop