クールな美形王子の誘惑
バス停まで来たけど、
バス停でも梓くんに熱い視線を送る女子多数。
「……はぁ…落ち着かねぇ…」
隣でボソッと、私以外には聞こえないくらいの声で言う梓くん。
そんな梓くんを見ながら、
私はスマホを取り出した。
「……(あず…スマホいじるほど俺といるの退屈…?)」
梓くんが小さくため息をつく。
私はやっと準備ができて、
梓くんの耳に手を伸ばした。
「っ、え?」
「これ、私が今ハマってる曲」
梓くんの耳にイヤホンを近付けたら、
梓くんが「聴いていい?」って言うから、
「いいよ」って言ったら、イヤホンを手にとってそれを自分の耳に押し込んだ。