クールな美形王子の誘惑
強力なライバルが現れました*梓side
『梓、来週撮影があるって覚えてる?』
「新作ですよね。いつものブランドの」
『うん、そう。
それね、うちの事務所の新人くんも研修がてら連れてくから』
あずと同じイヤホンを共有するという幸せイベントがあった日の夜。
希子さんから電話があって、はぁ、と憂鬱なため息を吐いた。
「俺一応顔隠してるんですけど?」
『同じ事務所の子なんだからいいじゃない!』
どうせソイツも売れたら違う事務所行くんだろ。
できるだけ顔バレしたくないって。
『来週の撮影は週末だから…
あっ、来週はずっとあずさちゃんと帰ってこれるわね』
「……はっ!?
な、なんで知ってるんですか!!」
『今日新人くんと会った時に、
駅で超美形な人が女の子と一緒にいるとこ見たんすよ!って言ってたから』
だからって俺とは限んないだろ!