魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
 荷物をまとめた次の日。ミーナは早く起きて家を出る準備をしていた。思ったより荷物が多くなったので、すぐ必要になるもの以外は配達屋に頼むことにしている。前日に手続きを済ましてあるので、あとは荷物を引き渡すのみだ。

 すぐに家を出るから、訪ねてくる業者へ渡すのは家族に頼んでいた。

「お姉ちゃん、おはよう。気をつけて行ってきてね」
「ありがとう」

 朝食を終え、長旅用のドレスに着替えたミーナはトランク一つと彼女の身長より少し長い杖を持ち玄関に立つ。開け放された扉からは朝日が差し込み、マグノリア家の人々を照らしていた。

「いってきます!」
「いってらっしゃい!」
「手紙書くのよ」
「ときどき帰って来なさいね」

 彼らは庭までついていき彼女を見送る。ソロルは右手を大きく振り、遠ざかる姉を目に焼き付けていた。
< 10 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop