魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
「まったく! せっかく昨日今日と店でゆっくり休もうと思ったのに、あのお嬢様のせいで台無しよ!」
「ボク、そういう女の子はイヤだなあ」
「災難だな。昨日私達がそちらへ向かったときは、勝ち誇った顔をしていたのに」
アデライドのブティックでミーナが愚痴っている。鮮やかなドレスが並ぶ部屋で椅子に座った彼女は、手動ミシンの前に座るアデライドへエルシニアについての不満をぶつける。
レースのクロスが敷かれた丸テーブルを挟んで座っているレネもミーナに賛同してくれて、彼女は少しばかりスッキリできた。
前日アデライドとレネが陽歌へ行ったとき。ミーナは「ただいま」の言葉とお土産を渡すなり、勝ち誇った表情でヴィオルドのことを話していた。そのため、彼女の豹変ぶりに腹立たしさがひしひしと伝わる。
「昨日はヴィオの弱みを握れたと思って勝った気分だったけど、想像してたのより厄介だから……」
「確かに彼は苦手そうだな。自分に被害がなければ面白く見物することは可能であろう」
「私完全にとばっちりだよ」
「ボクだったら絶対言い返すな~」
「火に油を注ぐのはね……」
今日のレネはシンプルなブラウスにストライプが入ったキャラメル色のベスト、ワイン色のタイにショコラ色の半ズボンを履いており、いつもの少女らしい格好ではなかった。肩までの髪はタイと同じ色のリボンで後ろにまとめてあり、普段と違った雰囲気でミーナは感心する。少女服や少年服も着こなせるレネには尊敬の念さえ感じてしまった。
「それよりミーナ、まだ私達は実家での話を聞いていなかったぞ。昨日から会って早々、お嬢様の話だったからな。家での話も聞かせてもらいたい」
「ボクも!」
「いいけど、何もすごいことは無いよ?」
愚痴に区切りがついたところでアデライドが新しい話題をふる。気になったレネも同調し、それに応えてミーナが話し始める。
劣等感もなく家族と普通に過ごせたこと、魔法を覚えてきたこと、魔法薬学を始めたこと、花の森やアルツィラーヌ村の話、など彼女が体験してきたことを話すと、二人は興味深そうに聞いていた。
「ボク、そういう女の子はイヤだなあ」
「災難だな。昨日私達がそちらへ向かったときは、勝ち誇った顔をしていたのに」
アデライドのブティックでミーナが愚痴っている。鮮やかなドレスが並ぶ部屋で椅子に座った彼女は、手動ミシンの前に座るアデライドへエルシニアについての不満をぶつける。
レースのクロスが敷かれた丸テーブルを挟んで座っているレネもミーナに賛同してくれて、彼女は少しばかりスッキリできた。
前日アデライドとレネが陽歌へ行ったとき。ミーナは「ただいま」の言葉とお土産を渡すなり、勝ち誇った表情でヴィオルドのことを話していた。そのため、彼女の豹変ぶりに腹立たしさがひしひしと伝わる。
「昨日はヴィオの弱みを握れたと思って勝った気分だったけど、想像してたのより厄介だから……」
「確かに彼は苦手そうだな。自分に被害がなければ面白く見物することは可能であろう」
「私完全にとばっちりだよ」
「ボクだったら絶対言い返すな~」
「火に油を注ぐのはね……」
今日のレネはシンプルなブラウスにストライプが入ったキャラメル色のベスト、ワイン色のタイにショコラ色の半ズボンを履いており、いつもの少女らしい格好ではなかった。肩までの髪はタイと同じ色のリボンで後ろにまとめてあり、普段と違った雰囲気でミーナは感心する。少女服や少年服も着こなせるレネには尊敬の念さえ感じてしまった。
「それよりミーナ、まだ私達は実家での話を聞いていなかったぞ。昨日から会って早々、お嬢様の話だったからな。家での話も聞かせてもらいたい」
「ボクも!」
「いいけど、何もすごいことは無いよ?」
愚痴に区切りがついたところでアデライドが新しい話題をふる。気になったレネも同調し、それに応えてミーナが話し始める。
劣等感もなく家族と普通に過ごせたこと、魔法を覚えてきたこと、魔法薬学を始めたこと、花の森やアルツィラーヌ村の話、など彼女が体験してきたことを話すと、二人は興味深そうに聞いていた。